今回はビットコインのクジラの動向やマーケットデータ分析などに便利な市場データプロバイダー「glassnode(グラスノード)」の見方・使い方をご紹介します。
色んなユニークな指標が使えるのがいいですね。
glassnode(グラスノード)とは
名称 | glassnode |
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公式 | サイト insight Twitter |
所在地 | ドイツ・ベルリン |
代表 | Rafael Schultze-Kraft他2人 |
glassnode insightsでデータ分析を見られる
glassnode insightが毎週ビットコイン相場分析レポート「The Week On-Chain」を書いています。
このレポートを正しく読めるようになるだけでもglassnodeの提供データの見方を知っておいた方がいいと思います。
有料プランで見れるデータが増える
glassnodeは有料プランで見れるデータが増えます。glassnode insightの相場分析記事だけでなく自分でも分析したい人向けですね。
無料プランでも30回/分までならAPIも使えるようです。
glassnodeおすすめインジケーター指標
glassnodeサイトのメインページである「Chart」の主な独自指標の見方を説明します。
glassnode insightの解説で登場する物をピックアップしています。
有料限定のインジケーターもありますが、glassnode insightやTwitterで分析記事がある時は全て見れるので、読解力の向上になると思います。
Stock To Flow Ratio
当サイトでも以前紹介したS2FモデルBTC理論価格のシミュレーションチャートをglassnodeで表示することができます。(無料)
黄緑色の月になるとBTC強気相場の天井となるかもしれませんね。
Total Balances in Accumulation Addresses
Total Balances in Accumulation Addresses(累積アドレスに保有されているBTC残高)は、1年間で17%増加しています。この増加は、BTC市場で流動性のあるビットコイン現物の減少を表します。(一部有料)
※累積アドレスとは、BTC入金歴があり、かつ出金したことがないアドレス(マイナーアドレスとエクスチェンジアドレスを除く)です。
流動性のあるBTC全体の15%近くがこれらの「累積アドレス」に占められていることから、市場に出回るBTC現物の枯渇、つまり希少性から価格の上昇に繋がります。
SOPR (Spent Output Profit Ratio)
SOPR(Spent Output Profit Ratio)指標はオンチェーン間で移動されたBTCの利益率を表します。
※購入価格と売却価格のトランザクションを通じて市場全体の利益と損失の割合を測定しています。(一部有料)
SOPRの値が1より大きい場合、平均的に、人々が利益を得て販売していることを意味します(販売価格が購入価格よりも大きいため)。
同様に、SOPRが1未満の場合、これは人々が損失を出して販売していることを意味します。
上記のチャートでは、現在SOPRが1より大きいので、価格の調整局面が必要であることを指しています。SOPRが1以下にリセットされると、価格が安定し、次の上昇相場を再開すると予想できます。
aSOPR (Adjusted SOPR)
調整済みSOPR(aSOPR)は1時間未満の寿命を持つ全てのUTXO(リレー取引や小銭等)をフィルタリングし、オリジナルのSOPRのノイズを排除することで、売買取引のより正確なシグナルとなります。
上記のチャートもaSOPRによって計算されています。
Supply Held by Top 1% Addresses
Supply Held by Top 1% Addressesは、上位1%アドレスが保有するアルトコイン銘柄(erc20中心)の割合を表示します。(無料)
LINKを例に見ると、価格上昇にも関わらず過去最高の81%を超えています。運営による健全な供給がなされていることが分かります。
※このインジは有料プランじゃないと一年前までのデータしか見れない
BTC Liquid and Illiquid Supply
ビットコインエンティティを分析し「高い流動性」「流動性」「非流動性」という3つのカテゴリ分類すると、現在1450万BTC(ビットコイン供給量の78%)が非流動的に保管されていることが分かります。(一部有料)
青 illiquid(非流動性):1450万BTC
黄 liquid(流動性):120万BTC
赤 high liquid(高い流動性):300万BTC
現在、420万BTC(22%)のみが常に流通しており、売買に利用されています。
この傾向が過去どのように推移してしてきたかを見ると、ビットコインの非流動性は明らかに上昇傾向で、2020年だけでも100万BTC以上が非流動的になりました。
希少性が上がり続けることは価格を押し上げます。
HODL Waveという指標(一年以上移動が無いウォレット割合がビットコイン価格に影響)も見ることが出来るので便利ですね。
NUPL (Net Unrealized Profit/Loss)
NUPL(Net Unrealized Profit / Loss)は、ネットワーク全体が未実現利益または未実現損失の状態にあるかどうかを判断する指標です。(一部有料)
以下のチャートのように緑の「Belief」を超え、青の「Euphoria」に入ると、これは長期上昇トレンドの天井を示しています(赤丸)。ただ、現在は青の範囲に完全に到達しなかったので、2017年半ばによく似ています(緑丸)。
青ゾーンのニアミスはビットコインの上昇トレンド持続とみていいのかもしれません。
Number of Entities With Balance ≥ 1k
BTCクジラ(少なくとも1000 BTCを保有する主体)の数をカウントする指標です。(有料)
2021年1月だけでも11%の増加、BTCの歴史上最も急速な増加で、大口保有者の間でBTCに対する継続的な需要は、継続的な強気の感情を示しています。
Glassnodeは別のアドレスであっても、独自の手法で1つの主体がコントロールしていると判断されるウォレット群を、BTC保有量として合算しています。
Entity-Adjusted Dormancy Flow (7d Moving Average)
この指標は、エンティティ調整済み休眠フローといい「現在の時価総額と年間休眠値の比率」を表します。
市場の安値を計り、ビットコインが強気または弱気の長期トレンドにあるかどうかを判断します。 以下の画像では50k目前にして、まだ弱気からギリ抜け出せてないということが示されています。
Bitcoin Supply Transition from Long-Term to Short-Term Holders
2017年バブルとの類似点として、長期ホルダーから短期ホルダーに急速な資産の移行が見られました。つまり長期でビットコインを保有する人が減り、短期トレーダー(新しくホルダーになる人)が増えたということ、投資よりも投機需要が上回ってきている状態を表しています。
長期上昇トレンドの終焉が近づいていることを表している可能性があるかもしれません。
glassnodeのその他機能
その他glassnodeサイトの使い方をご紹介します。
Compare(指標比較)
glassnode内の指標を同時に表示することができます。比較したい指標を見るときに便利ですね。
内蔵TradingView
glassnodeサイトに内蔵されたTradingViewチャートが使えます。APIを使用してアラート作成などができるようです。詳しい人向け。
glassnodeのまとめ
glassnodeの独自指標の見方やサイトの使い方を解説してみました。
定期的に配信されるglassnode insightやTwitterの解説などを、指標の理解をしてから読み解くと、相場分析に大きな気づきがあると思います。
是非トレード手法の引き出しを増やすためにも、利用できるものは利用していきましょう。
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